2026年10月17日(土)、まな部 第62回を開催しました。今回のテーマは「金融リテラシー(お金に関する知識や判断力のこと)」。国の認可を受けた機関である金融経済教育推進機構(J-FLEC)が全国約3万人を対象に実施した「金融リテラシー調査」の本物の設問を使い、参加者のみなさんと一緒に挑戦してみる、という回でした。
当日の様子
今回はスライドを見て聞くだけの講義ではなく、体験型のゲーム形式で進めました。流れはシンプルで、
- まず自分で問題を解いて解答用紙に記入する
- 正解を発表する
- 「この問題、全国の正答率は何%だったと思う?」を予想して楽しむ
- 最後に、やさしく解説する
というサイクルを、全部で11問繰り返しました。序盤は「家計管理」や「クレジットカード」など身近なテーマから始まり、後半は「複利(利息にもさらに利息がつく計算方法)」や「インフレ(物価が上がっていくこと)」といった、少し踏み込んだテーマにも挑戦しました。
全問が終わったあとは、無記名で正答数を集計し、「まな部会場の平均点」と「全国平均(53.8%)」を並べて見比べる時間も設けました。点数の良し悪しを競う場ではなく、「自分の今の理解度を知る」「予想を当てて遊ぶ」ことを目的にした企画です。
- 参加者数: 4人
- 会場の平均正答率: 【84.8%】
(出所)金融経済教育推進機構(J-FLEC)「金融リテラシー調査」(2025年)
例題コーナー:実際に出題した問題から2問をご紹介
当日使った設問の中から、特に「学びが大きかった」2問を抜粋してご紹介します。設問の原文は出典元のものをそのまま使い、以下はまな部による解説です。
例題1:72の法則(金利と借金の増え方)
「72の法則」という、お金がおよそ何年で2倍になるかを概算できる考え方があります。
72 ÷ 金利(%) ≒ お金が2倍になるまでの年数(目安)
10万円の借入れがあり、借入金利は複利(利息にもさらに利息がつく計算方法)で年率20%です。返済をしないと、この金利では、何年で残高(借金の額)は倍になるでしょうか。
1. 2年未満 2. 2年以上5年未満 3. 5年以上10年未満 4. 10年以上 5. わからない
(出所)金融経済教育推進機構(J-FLEC)「金融リテラシー調査」
まな部の解説
「72の法則」は、「72 ÷ 金利(%)」を計算するだけで、お金(または借金)がおよそ何年で2倍になるかをパッと見積もれる、便利な目安の考え方です。今回の問題なら、72 ÷ 20 = 3.6。つまり正解は「2年以上5年未満」です。
ポイントは、これが「借金」の話だということです。年率20%という高い金利を放置すると、わずか3〜4年ほどで借金の残高が2倍に膨らんでしまう計算になります。逆に、この法則は貯蓄や資産運用でお金を増やす場面でも同じように使えるので、「増えるスピード」も「膨らむスピード」も、金利の大きさ次第であることを体感できる、覚えておくと得する考え方です。
(参考)この問題の全国正答率は40.8%でした。(出所)金融経済教育推進機構(J-FLEC)「金融リテラシー調査」(2022年)※旧・金融広報中央委員会実施分
例題2:複利5年後(当日いちばん盛り上がった問題)
※当日はこの前に「100万円を年利2%の複利で1年間預けると、1年後の残高はいくら?」という問題があり、その続きとして出題されたものです(設問文はそのまま引用しています)。
同じ条件(100万円・年利2%の複利)で5年間預けた場合、5年後の残高は「110万円」と比べてどうなっているでしょうか。
A. 110万円より多い B. 110万円より少ない C. 110万円と同じ
(出所)金融経済教育推進機構(J-FLEC)「金融リテラシー調査」
まな部の解説
100万円を年利2%で預けた場合、「2%×5年=10%」とだけ考えると、つい「5年後は110万円」と計算してしまいがちです。しかし正解は「110万円より多い」(A)。
これは「複利」の仕組みによるものです。複利とは、ついた利息にもさらに利息がつく計算方法のこと。2年目以降は、1年目についた利息にも新たに利息がつくため、1年ごとに単純に2万円ずつ増えるわけではなく、増え方が少しずつ加速していきます。実際に計算すると、5年後の残高はおよそ110.4万円になります。
この問題、全国の正答率は42.6%(2025年調査)と、半数以上の方が間違える結果でした。実は同じ調査の中で行われた日米比較でも、日本は43%の正答率だったのに対し、アメリカは69%。複利の理解は、世界的に見ても日本人が苦手な分野のひとつかもしれません。
(出所)金融経済教育推進機構(J-FLEC)「金融リテラシー調査」(2025年)
スマホで全問に挑戦できます
当日の全問題は、スマホで挑戦できるクイズ(Googleフォーム・無記名・自動採点)でも公開しています。送信すると正解・解説・全国正答率が表示されます。腕試しにぜひどうぞ。
じっくり紙で解きたい方は、当日の出題問題(正解・解説付き)のPDF版もどうぞ。
出題問題PDF(全9ページ・正解と解説つき)をダウンロード

